SQL で作成したストアドプロシージャで Scala を使って表形式を返します。

表形式フォームでデータを返すプロシージャを書くことができます。表形式データを返すプロシージャを作成するには、次の手順を実行します。

  • CREATE PROCEDURE ステートメントで、プロシージャの戻り値の型として TABLE(...) を指定します。

    TABLE パラメータとして、返されたデータの列名と がわかっている場合はそれらを指定できます。プロシージャを定義するときに返される列がわからない場合(実行時に指定する場合など)は、 TABLE パラメーターを省略することができます。そうすると、プロシージャの戻り値の列は、そのハンドラーが返すデータフレームの列から変換されます。列データ型は、 SQL-Scalaデータ型マッピング で指定されたマッピングに従って、 SQL に変換されます。

  • Snowparkデータフレームで表形式の結果を返すようにハンドラーを記述します。

    データフレームの詳細については、 Snowpark Scalaでの DataFrames の操作 をご参照ください。

注釈

プロシージャがランタイム時にエラーを発生させるのは、以下のいずれかが真である場合です。

  • 戻り値の型として TABLE を宣言しているが、そのハンドラーはデータフレームを返さない。

  • そのハンドラーはデータフレームを返しているが、プロシージャは TABLE を戻り値の型として宣言しない。

このセクションの例は、列が文字列と一致する行をフィルターするプロシージャーから表形式の値を返すことを示しています。

データの定義

次の例のコードは、従業員のテーブルを作成します。

CREATE OR REPLACE TABLE employees(id NUMBER, name VARCHAR, role VARCHAR);
INSERT INTO employees (id, name, role) VALUES (1, 'Alice', 'op'), (2, 'Bob', 'dev'), (3, 'Cindy', 'dev');
Copy

行をフィルターするプロシージャの宣言

次の2つの例のコードは、テーブル名とロールを引数として受け取るストアドプロシージャを作成し、ロール列の値が引数として指定されたロールと一致するテーブル内の行を返します。

戻り列の名前と型の指定

この例では、 RETURNS TABLE() ステートメントで列の名前と型を指定しています。

CREATE OR REPLACE PROCEDURE filter_by_role(table_name VARCHAR, role VARCHAR)
RETURNS TABLE(id NUMBER, name VARCHAR, role VARCHAR)
LANGUAGE SCALA
RUNTIME_VERSION = '2.12'
PACKAGES = ('com.snowflake:snowpark:latest')
HANDLER = 'Filter.filterByRole'
AS
$$
import com.snowflake.snowpark.functions._
import com.snowflake.snowpark._

object Filter {
   def filterByRole(session: Session, tableName: String, role: String): DataFrame = {
     val table = session.table(tableName)
     val filteredRows = table.filter(col("role") === role)
     return filteredRows
   }
}
$$;
Copy

注釈

現在、 RETURNS TABLE(...) 句では、 GEOGRAPHY を列タイプとして指定することはできません。これは、ストアドプロシージャまたは匿名プロシージャを作成する場合に適用されます。

CREATE OR REPLACE PROCEDURE test_return_geography_table_1()
  RETURNS TABLE(g GEOGRAPHY)
  ...
Copy
WITH test_return_geography_table_1() AS PROCEDURE
  RETURNS TABLE(g GEOGRAPHY)
  ...
CALL test_return_geography_table_1();
Copy

列タイプとして GEOGRAPHY を指定しようとすると、ストアドプロシージャの呼び出しはエラーになります。

Stored procedure execution error: data type of returned table does not match expected returned table type
Copy

この問題を回避するには、 RETURNS TABLE() の列の引数と型を省略します。

CREATE OR REPLACE PROCEDURE test_return_geography_table_1()
  RETURNS TABLE()
  ...
Copy
WITH test_return_geography_table_1() AS PROCEDURE
  RETURNS TABLE()
  ...
CALL test_return_geography_table_1();
Copy

戻り列の名前と型の省略

次の例のコードは、戻り値の列名と型をハンドラーの戻り値の列から挿入できるようにするプロシージャを宣言します。 RETURNS TABLE() ステートメントから列名と型が省略されています。

CREATE OR REPLACE PROCEDURE filter_by_role(table_name VARCHAR, role VARCHAR)
   RETURNS TABLE()
   LANGUAGE SCALA
   RUNTIME_VERSION = '2.12'
   PACKAGES = ('com.snowflake:snowpark:latest')
   HANDLER = 'Filter.filterByRole'
   AS
   $$
   import com.snowflake.snowpark.functions._
   import com.snowflake.snowpark._

   object Filter {
      def filterByRole(session: Session, tableName: String, role: String): DataFrame = {
         val table = session.table(tableName)
         val filteredRows = table.filter(col("role") === role)
         return filteredRows
      }
   }
$$;
Copy

プロシージャの呼び出し

次の例では、ストアドプロシージャを呼び出します。

CALL filter_by_role('employees', 'dev');
Copy

プロシージャの呼び出しにより、次の出力が生成されます。

+----+-------+------+
| ID | NAME  | ROLE |
+----+-------+------+
| 2  | Bob   | dev  |
| 3  | Cindy | dev  |
+----+-------+------+